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『衛星ボウイは空を見る』3

間が空いたのは、みんなラブライブのおかげ。

「着いたみたい」
 衛星ボウイがスイッチを押した時に窓を覆った膜が消え、目の前には一つの星が浮かんでいた。
「ええ?だって、まだボタンを押したばっかり…、ってもう三時間も経ってる!」
「えええ!三時間?本当だ!
 思っていたよりも遠くに来ちゃったみたいだけど、君はどんな設定をしたんだい?」
 体感時間とのギャップに驚いた爆弾タイガーの発言に、衛星ボウイが呆れたように言う。ポッドでの移動は宇宙ひも理論を博士が応用した技術によって距離と時間を圧縮して行うため、きちんと設定を行わないととんでもない距離を進んでしまうのだ。
「おいらは”大気のある惑星”で検索させただけだよ!」
「来ちゃったものは仕方ないけど、帰る時間を考えるとあんまりいられないなぁ」
 ため息混じりに言ってから、衛星ボウイは目の前にある星の状態を確認し始めた。
「おかしいな、あの星に関するデータが無い。僕の観測宙域から出ているとはいえ、ポッドのデータベースにも入っていない」
「目の前にあるのにね。
 それにしても、なんだかお菓子みたいなほしだね!早く降りてみたいな」
 爆弾タイガーの言うように、目の前に浮かんでいる星はデコレーションを施したケーキのような見た目をしている。全体的にクリームを塗ったように白く、ところどころ露出している地面はココアのような色をしている。生えている木もストロベリーチョコのようなピンク色の葉を付けている。
「まだ大気の状態も確認できてないから、危なくて降りられないよ。
 それに、お菓子の星なんて行ったら、魔女のおばあさんに食べられちゃうかもしれないよ?」
 ポッドのアンテナを操作して星の分析をしている衛星ボウイが、ちらりと星に視線を投げて言う。データに無いという時点で衛星ボウイにとっては降りてはいけない星なのだが、未知の星への興味の方が勝ったようだ。
「それよりもおいらが気になるのは、他の星が見えないことなんだけど」
 目の前の星に気を取られていたが、肉眼で見える範囲に星の光は一つも見えなかった。
「うん、あの星は降りても問題無いみた…
 タイガー後ろを見て!」

 衛星ボウイがモニターから顔を上げて振り返ると、そこには宇宙の色よりもなお暗い空間が広がり、今にもポッドを飲み込もうとするところだった。

-いただきまーす

「え?」
 振り返った瞬間、かすかに聴こえた声を爆弾タイガーの耳が捉えたが、その時にはポッドも星も闇に飲み込まれていた。

「二人ともお茶が入りましたよ」
 柔らかな女性の声に二人の意識が覚醒する。クリーム色を基調とした壁に囲まれた部屋には至る所に花が飾られており、良い香りが漂っている。
「良い匂いがするね、タイガー」
「そうだね衛星ボウイ。花の匂いとケーキの匂いで良い気持ちだよ。天国かなぁ」
「ブラックホールみたいなのに飲み込まれて、天国に来ちゃったのか。おじいさんが心配しているかも」
 ふかふかのソファに横たわりながら、衛星ボウイと爆弾タイガーがぼんやりとしているのを、紅茶のカップをテーブルに置いた女性が微笑みながら眺めている。
「ごめんなさいねぇ。あんなところに人がいるとは思っていなかったものだから」
 ようやく女性に気付いた二人はお互いの格好を見て居住まいを正した。
「食事中は特に気を付けていたのだけれど、どうやってここまで来たのかしら?」
 おっとりと小首を傾げながら尋ねる女性に、二人は顔を見合わせている。
「僕たちはポッドに乗って空を見るために来ました」
 衛星ボウイが少し緊張気味に答えると、その隣で爆弾タイガーが恐る恐るカップに口を付けた。猫舌のタイガーにもちょうどいい温度の紅茶が、頭をすっきりさせる。
「そのためにおいらたちは空気のある星に来たんだけど…
 あのお菓子みたいな星はどうなったんだろう」

「あの星なら、私が食べたわよぉ。
 私は星食いだからねぇ」
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非公開コメント

No title

タイトルが3をすっ飛ばして4になっちゃってるよ(*´Д`*)

星食いさん文字通り星食べてたwww

Re: ふふふさん

違うの!
書きかけて没にした記事とごっちゃになってね?

…ごめんなさい!
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